n番部屋事件に思う、twitterに蔓延するネット性犯罪の温床のこと

韓国で起こった「n番部屋事件」の主犯格が逮捕されたと日本でも報じられてから二か月。

主犯格が「職員」と呼称する、脅迫や個人情報の漏洩等の犯罪に手を染めた協力者達も逮捕され、捜査は引き続き進んでいる。

 

韓国史上最悪の性犯罪 ”n番部屋事件”、有料会員2人を拘束(WoW!Korea) - Yahoo!ニュース

 

自分が事件の記事をいくつか読み終わって頭に残ったのは「n番部屋」を利用した加害者の数が想定10万人(アカウントの総数は26万件)にも昇るとの情報だった。

韓国の事件や時事について触れる機会が少なく、頭に浮かんだのは身近な、現在進行形で日本社会に存在している性差別のことだった。

 

女性を脅し秘密のチャット部屋に残虐な性映像を流した犯罪「n番部屋事件」韓国揺るがす | ハフポスト

 

想定10万人という規模に、twitterで日本語ユーザーの性的に逸脱したアカウントが無数に存在していることを重ねた。

 露骨であったり性的なコンテンツの表現自体はルールで否定されていないため、成年コミックの作者等フィルタリングを徹底して利用しているユーザーの事を言いたいのではない。

リベンジポルノやデジタル性犯罪といった被害を防ぐためにtwitterのルールに明記されている事柄を破るアカウントの事を言いたい。

 

交流サイト:18歳未満、性的被害919人 匿名利用、犯罪の温床に - 毎日新聞

 

性的なコンテンツと結びつかないと思われた言葉でツイートを検索すると目に付き、報告の為にアカウントを辿っていくとキリがない。

表現の具体的な言及は避けるが、時には芸能人へのリプライでの脅迫めいた言葉であったり、フィクションではなく違法行為そのものと思われる映像が目に入る。

ルールに違反していると想定されるツイートやプロフィール(不適切なプロフィール画像、ヘッダー等)は運営に報告することで、違反していると認められた場合ツイートがユーザーの検索結果に表示されなくなったり、アカウントが凍結されるといった対応が取られる。

しかし残念なことに、法的に見ると違反行為が親告罪であったり被害者本人の訴えでしか対応できないことを盾に、アカウントを凍結された本人はまた新しいアカウントで同じ活動を再開することも多い。

 現在のシステムではツイートやプロフィールの報告結果が通知として届くようになった。報告が受理されたり、ルールの違反が確定してアカウントが凍結されたときに送られてくる。ルールはしっかりと適用され、違反は野放しというシステムではないということだ。

 

有料会員制であり、利用者=加害者という明確な構図があった「n番部屋事件」と違って、twitterという(巨大とはいえ、)ネットの一角だけでも追跡しきれないほどの性犯罪の温床が日本でも広がっているというのは認めなければいけないと思う。

このエントリーによって日本を貶したいという意図はない。韓国の事情は知らないが、「隣国でこんな大きな事件があった」というだけでは済ませてはいけないと思った。

TVでも触れられたり、暗黙の皆の楽しみとしてアダルトビデオ業界が深く根付いているのが日本社会だと思う。オープンな場で視聴していると公言する芸能人は何人もいるし、合法だからといっても度々強要が問題になったり、果たして数億円市場と呼ばれる業界にふさわしい社会的な成熟があるかを疑問に思うことが多い。風俗の場での搾取も目に余る。

この日本社会の性のアンバランスさをいつ清算すればいいのかと思う。ニュースを見たり聞いたりした個人の意識の変化、古い考えを変革する若者、そういったものに期待する間にも現在進行形で薄く広く「n番部屋事件」に似た問題が起きていると思う。

 

 AV業界、風俗業界についてどう考えるべきかは今回のエントリーでは一旦置いておきたい。

twitterのルールと法律を破りかねないツイートについては明確に思うことがある。

この根強い問題に、「なるべく人の目に付かないように隠れてやっている」、「無関係で不利益がないのだから正義面しないでほしい」といった反論もよく見かけるが、twitterで明確にルールが定まっている以上、利用するからにはそれに従うべきである。

 

どんなものであれルールに則らない使い方をしている方々に、一度本当にこんなことをしていていいのかと自問してほしいというのが記事の趣旨になる。鍵をかけていたとしても、一回だけの過ちだったとしても、公の場で仮の姿を通していたとしても発信していたのは他ならぬ自分だったという事を一回自覚していただきたい。

クリック一つでどんなコンテンツでも発信できる。やるのが簡単なら、やめるのも簡単である。

正しくないと自分の中に思う気持ちがあるなら単純にやめてほしい。アカウントを消して二度とやらないでほしい。他者を傷付けかねない言動、違法になりかねないコンテンツ、詳細はそれぞれであると思うが、自分がしていることが正しくないと思ったなら、やめてほしい。

 

 

最後にお断りとして、積極的なツイートの検閲や運営そのものを手放しで称賛しているわけではない。もともと存在していたルールに沿っているかを考えているだけで、ルール自体を自分の中でおかしいと感じたらその時は自分がtwitterというツールを辞めようと思う。